民法等の一部を改正する法律の施行に伴う不動産登記事務の取扱い(所有権の登記の登記事項の追加関係 令和6年4月1日施行)に関し、次の通り所有権の登記の登記事項が追加されました。
1.法人識別事項の登記事項化
所有権の登記名義人が法人であるときの所有権の登記の登記事項に会社法人等番号などが登記されます。
法人の種類 | 登記事項 |
①会社法人等番号を有する法人 | 当該法人の会社法人等番号 |
②会社法人等番号を有しない法人であって、外国の法令に準拠して設立されたもの | 当該外国の名称 |
上記①、②に該当しない法人 | 当該法人の設立の根拠法の名称 |
2.海外居住者の国内連絡先の登記事項化
所有権の登記名義人が国内に住所を有しないときの登記事項として「国内連絡先」が登記されます。
①所有権の登記名義人の国内における連絡先となる者があるとき | 国内連絡先となる者の氏名又は名称並びに国内の住所又は国内の営業所、事務所その他これに準ずるものの所在地及び名称 |
②上記①の場合で国内連絡先となる者が会社法人等番号を有する法人であるとき | 当該法人の会社法人等番号 |
③国内連絡先となる者がないときは、その旨 | ー |
※ 以下の3項、4項は登記事項ではなく、登記名義人の氏名を補足する事項です。
3.ローマ字氏名の併記ができます
外国人(日本の国籍を有しない自然人をいう)である所有権の登記名義人の氏名にのみ、ローマ字氏名を併記することができます。(所有権の登記名義人以外の者及び外国法人の名称は対象外)
表示方法は、次の通りです。
①登記名義人の氏名の表音をローマ字で表示したものに限る
②原則として全て大文字で表示
③登記記録に記載された氏と名の順に従って表示し、氏と名の間にはスペースを付す
④母国語による氏名にローマ数字が含まれている場合は、ローマ字を組み合わせて表示できる
ローマ字氏名が併記されるのは次の場合です。
①外国人が新たに所有権の登記名義人となる登記等の申請に伴い、申請人が併記の申出をした場合
②外国人の登記名義人が、登記の申請を伴わずにローマ字氏名の併記の申出をした場合
4.旧氏の併記ができます
所有権の登記名義人の氏名にのみ旧氏を併記することができます。(所有権の登記名義人以外の者は対象外)
旧氏の併記ができるのは次の場合です。
①新たに所有権の登記名義人となる登記等の申請に伴い、申請人が旧氏の併記の申出をした場合
②所有権の登記名義人が、登記の申請を伴わずに旧氏の併記の申出をした場合