住所、氏名等の秘匿制度

 ”住所、氏名等の秘匿制度”は、令和4年5月18日に成立し、同月25日に公布された「民事訴訟法等の一部を改正する法律」(令和4年法律第48号)の一部で、令和5年2月20日から施行されます。

この制度は、当事者(訴えを提起したり、提起された方)等がDVや犯罪の被害者であるなど、当事者等や法定代理人が住所、氏名等を相手方に知られることによって社会生活を営むのに著しい支障を生じるおそれがあるときは、裁判所の決定により、住所や氏名等を相手方にも秘匿することができる制度です。

 具体的には、裁判所の決定により、当事者等や法定代理人の住所や氏名を訴状等に記載しないことを認める措置や、住所や氏名等。これらを推知させる情報(事項)が記載された部分の閲覧等を制限する措置をとることができます。(「秘匿事項届出書面」で秘匿決定の申立てをする)

 秘匿決定がされると、訴状等には、住所、氏名を記載せずに裁判所が定める事項(代替事項)を記載すればよいことになります。

 また、秘匿決定がされても、代替事項が記載されずに、住所や氏名等が記載された書面や、住所や氏名等を推知させる情報が記載された書面が提出されていることもあります。この場合には、その記載部分について、裁判所の決定により、秘匿決定の申立てをした方以外の者の閲覧等を制限することもできます。ただし、そのためには、秘匿決定の申立てとは別に、閲覧等の制限を求める申立てが必要となりますので、注意が必要です。

 尚、「秘匿決定」がされた場合、裁判上の保証供託や供託命令に基づく供託事務についても本改正法の趣旨にしたがった取扱いがされます。

PAGE TOP